スイミーの感想文

読書感想文の練習のために、高学年の男の子にスイミーを読んでもらいました。

最初は

「スイミーすっげえ!」

というひとことの感想だったのですが、

「すっげえところはどこ?どんな場面?どうして?」

と何度も話し合ってるうちに

・泳ぎが速いこと

・頭がよくてみんなを助けられたこと

に絞り込みました。

さらに

「感想文は経験や考えみたいな自分の話を入れられるとすごくよくなるよ」

とアドバイスすると

「泳ぎが速いから、おとりになってみんなを助けることもできたと思う。スイミー一匹だけにげてズルイ」

という話がでました。

そこから

「でも最後はちゃんとみんなを助けられた」

というところまで話が移り、最終的には

 

「スイミーは泳ぎが誰よりも速くてそのおかげで助かることができけど、それは自分だけが助かる力だった。最後にはたくさん考えて、みんなも助けることができる力になった。そこがすごい」

という、スイミーの成長を読み取る内容になりました。

最初の感想の「すっげぇ」から、さらに一歩進んだいい内容になったと思います。

 

多くの子たちはおもしろい・すごい・好き・かっこいいなど、感想を求めるとひとことで済まそうとします。

それは感情が乏しいわけではなくて、自分がどうしてそう思うかまだ気づいていないのです。

こういう作業を繰り返すうちにだんだんと自分の思いがいったいどんな体験から来るのか、どんな言葉やエピソードに自分が反応しているのかみつけられるようになります。

感想文は自分の内側をみつめる作業でもあるのです。

 

最初は誰かが相手になって

「どうしてそう思うの?」

「どっちが好きなの?」

と話を引き出すようにする練習をするといいと思います。

本音をしっかり引き出してから書く作文は、原稿用紙に向かって無理やりひねりだしながら書く感想文よりずっと楽しいし書きやすいですよ。