読書感想文は読書した感想を書く文章です。
みんな夏休みに書くものだと思っていますが、本当はいい本との出会いがあったらいつでも書いてみるべきだと思います。
書物を読んだ感想を書くのが感想文なので、本来は図鑑や辞書、漫画で書いてもかまいません。
でも学校の宿題として出される読書感想文は
「学年相当の本を読ませるための読書感想文」
と思っている大人や先生もいるようで、子供の本選びに規制をかけてきます。
「ちゃんとした物語じゃないとかけません」
「漫画はだめにきまってる」
「図鑑なんかじゃ書けないでしょ?」
こんな具合に。
図書館で読書感想文の本選びをしている親子の会話に耳をかたむけていると、子供の選んだ本にそうやってケチをつけている大人の声が聞こえてきます。
でもそんなことないんですよ。
図鑑や漫画、辞書だってみんな感想をもつはずです。
へー、昆虫の頭はこうなっているんだ?
字が大きくてわかりやすいなあ。
この主人公、どうしてこんなことしたんだろう?
何もセリフのないコマからこんなことが読み取れるな。
こっちの英和辞典についている付録ページはこういう使い方を想定してるんだとおもう。
感想なんてどんなものでも人は持つものです。
「これじゃ書けない」
というのは
「物語以外で人は感想をもてない」
といっているのと一緒です。
そんなことはないですよね?
ほかにも
「あなたの学年でそんな本じゃ幼稚すぎるでしょ?」
「もう読んだことのある本で書くなんて手抜きだよ」
という話もききます。
でも感想をきちんとかこうと思ったら、内容をよく読みこんで理解したものでないと難しいと思います。
「あなたの年齢で読んだ方がいい難易度」と「あなたの年齢で読書感想文を書くのにちょうどいい難易度」は違います。
背伸びして学年相当かそれ以上の本を読んで、書いた感想文は幼稚な文章、こっちの方が私は問題だなーと思います。
だから生徒たちには逆に
「絵本でもいいよ。読みやすいものにしたら?」
「もし読むのが苦手だったら、今まで読んだものか教科書にのっている作品でいいんだよ」
と言っています。
その方が内容が頭に入っていて感想を出しやすいですから。
それにたとえちいさい子の読む絵本であっても5年生や6年生になってから読むと、またその年齢なりの感想を持つものです。
本は読む人の性質や通ってきた人生によって、得るものや感じることがかわるものだから。
というわけで、本の選び方ですが結局のところは自由!ということですね。
しいて言えば自分の心が動いたもの。
それは「好き!」「感動した!」という感想でも「この本最低!」「主人公嫌い!」というマイナスの感想でもかまいません。
まだ感想文の本を選んでいない子は、ぜひまわりの情報や自分の学年に振り回されないで、自分の心のアンテナと相談してきめてくださいね。
そして保護者や先生方は子供の選ぶ本に文句をつけずにぜひ自由に選ばせてあげて欲しいと思います。
もし「もっと学年相当の本を読まなければいけないから!」という理由で本を制限するのであれば、感想文なんて宿題をやめて「読書記録シート」のような簡単なものに変えて欲しいと思います。
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